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宇都宮市文化会館のステージ上からの眺め=2023年10月28日、宇都宮市明保野町、魚住ゆかり撮影

 第72回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)中学生の部、高校の部が10月19日から2日間、宇都宮市文化会館で開かれる。今年初めて「吹奏楽の甲子園」となるホールの横顔を紹介する。

 宇都宮市文化会館、通称「宇文」は1980年、宇都宮刑務所の跡地に建てられた多目的ホールで、地上4階、地下1階の建物に、大小二つのホール、展示室、練習室、会議室、和室、プレイガイドなどを備えている。

 約1年半に及ぶ改修工事を経て、2017年4月にリニューアルオープンした。

響きは

 建物に入ると、地元産の大谷石が壁一面につかわれたロビーがあり、会場となる大ホールなどに続く大階段には光の柱のようなシャンデリアが輝く。

 大ホールは、改修を経て残響(空席時)が1.6秒から2.2秒にのび、音楽ホール並みの音響になった。

 利用者から「音響をよくしてほしい」という声があったことに加え、オーケストラや吹奏楽の公演が多かった。そのため、改修を機に、天井や床、いすなどを、響きを重視したものに取り換えたという。

 地元の吹奏楽関係者は「とても素直で、心地よい響きです。予習をしたり、対策を立てたりしなくても大丈夫」と口をそろえる。

 トラック2台の搬入・搬出が同時にできる、広い搬出口を持ち、吹奏楽コンクールの運営にはぴったりだ。

 客席数は2千。長年、会場として使用された普門館(東京都杉並区、5千席)、12年から開催を引き継いだ名古屋国際会議場(名古屋市熱田区、3千席)に比べて、客席数が少ない。そのため、両日とも前半の部、後半の部を、2分割してチケットを販売。客席入れ替えを3回行う予定だ。

アクセスは

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第72回全日本吹奏楽コンクールの会場となる宇都宮市文化会館=2024年8月11日、宇都宮市明保野町、魚住ゆかり撮影

 このホールの唯一の難点は、主要駅から遠いことかもしれない。

 大会当日は、JR宇都宮駅西口との間で、シャトルバスが随時運行する。

 このほか、JR宇都宮駅西口から最寄りの「文化会館前」や「文化会館西口」への路線バスが計3路線あり、一部の時間帯を除き、それぞれ30分に1本程度、運行している。

 JR宇都宮駅からJR日光線で1駅の鶴田駅から徒歩20分、東武宇都宮駅から1駅の南宇都宮駅からは徒歩10分だ。(魚住ゆかり)

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